留学において給料がもらえるかもらえないかというのは非常に重要なことだと思います。
もらえるにこしたことは無いですが、そうも簡単にはもらえません。
もらえるかどうかは自分の業績とボス同士のコネというところにかかっているかと思います。
私も若い時はコネなんかに頼らず自分の力で道を切り開いていきたいと考えることが多かったです。
しかし、今になると研究の世界でコネというものは非常に大事であると実感します。
コネとなるとイメージするのは、実力が無いのに他の人より上の立場にいったり特権を有したりというのがあるかと思いますが、そうではないと実感します。
研究の世界でのコネは、お互いの研究業績を認め信頼関係が築かれている状態
と今では思います。
なぜかというと
まずポスドクを受け入れるということに対し、受け入れ先のPIはその研究者を判断しないといけません。
自分の研究室でうまくやっていけるか、他の研究者とうまくやっていけるかなど。
しかも、給料は自分の研究費から払わなければいけません。
そのため、自分の研究室で雇えるポスドクの人数というのはある程度決まってしまいます。
通常は年単位で契約するため、PI側から解雇することは難しいです。
留学生を受け入れたはいいけど、業績も出さない働かないではPIは困ってしまいます。
翌年以降の研究費獲得や自分の職の維持にも支障がでてきてしまいます。
通常の面接では1日で研究者の性格と能力を判断しないといけません。
面接にもだいぶ手間がかかります。
しかし、お互い信頼関係が築けている研究者同士であれば、少なくとも人間性に問題のある人物を送ってくるとは考えません。
そしてなるべくこれまでの研究成果が自分の研究室にうまくfitする人物を紹介してくれると考えます。
知らない研究室出身の研究者よりも当たりの可能性が高いわけです。
次に留学生を送るということは研究室同士で共同研究を行う可能性があるということに繋がります。
共同研究ではお互いの研究室が互いに同じレベルに達しないとうまくいきません。
片方がやる気がなかったり問題があったりすると研究は進みませんし無駄な時間がさかれてしまいます。
このようなことでボスが苦労しているのを何度か見てきました。
そのため留学生を受け入れるということはボス同士が互いに認め合っていることだと思います。
結局は自分の業績も大事ですが、それよりもボスのネットワークが重要な印象をうけます。
無給で留学した知り合いもいますが、個人的にはあまりお勧めしません。
その理由は
留学を途中で断念しないといけない状況になりうる。
やはり海外での生活は思ったよりお金がかかります。
生活が維持できないと日本に帰らざるを得なくなります。
生活費などは思ったよりもかかることが多く、生活費が足りなくて研究を途中でやめて帰ってしまった知り合いも多くいます。
医師免許がある医師の留学の場合は、日本に帰ってから仕事は見つかりますが、そうでないnon-MDの研究者の場合はもっと大変かと思います。
いい研究テーマを与えられない可能性
私はこの問題のほうが重要かと思います。
研究はテーマがとても重要です。
しっかりとした計画がなされていない研究はいくら研究者が優秀でも成就しません。
自分がPIであれば、今後も研究者を送ってくれるラボからの研究者と一人でぷらっときた研究者、実力が同じならどちらにいいテーマを与えますか?
多少実力に差があってもコネがある研究室からの研究者にいいテーマを与えます。
その研究者が自分の研究室にいい印象を持たなければ次の留学生がこなくなってしまいますし、共同研究も無くなってしまうかもしれません。
以上から、無給でいいから留学というのはあまりいい選択枝ではないと思います。
多くの人が人生の中で長期に留学する機会は1回だけかと思います。
無理していくよりも、奨学金に応募したり、もしくは日本でコネをもっている研究室に一旦異動してそこでしっかりした仕事をしてから留学したりなどのほうがいい留学生活になるかと思います。
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