例をあげてみると日本でもっとも知名度の高い学術振興会の海外特別研究員の書類を見てみますと
- これまでの研究状況 2ページ
- 研究内容・計画 4ページ
- 研究業績 2ページ
一方カナダでのポスドク用奨学金であるBanting Postdoctoral Fellowshipsを見てみるとこのようになってます。
ページ数 | 学振で該当する項目 | |
Leadership contributions | 1ページ | 無し |
Research contributions | 1ページ | これまでの研究状況 |
Research proposal | 4ページ | 研究内容・計画 |
Bibliography | 4ページ | 無し |
Ray abstract | 1ページ | 無し |
Referee assessment | 3ページ × 3人 | 無し |
Supervisor statement | 5ページ | 無し |
Institutional letter | 1ページ | 無し |
Curriculum vitae | 無制限(項目は決められている) | 研究業績 |
他の奨学金の申請についても枚数の違いもありますが、だいたいこのような感じです。
見ていただきたいのは内容の違いです。
こちらでの申請についての違いは
研究業績だけでなく行動力や指導力をアピールする必要がある。
これは日本での申請ではあまり評価されないところかと思います。
Leadership contributionという書類がだいたいいつも記載しないといけません。
具体的には、大学の授業やワークショップへでの講義や参加、学生や大学院生の指導などがあたります。
履歴書にも講義の記録などを記載する欄があります。
これは日本で教官であった方でないとなかなか具体的に記載するのが難しいところです。
学生や大学院生の指導も研究室内で常に行っていることですが具体的な名称として羅列するのはなかなか難しいです。
このようなcontributionを複数記載しないといけませんので日本人にはなかなか大変です。
施設やボスも評価の対象である。
これは日本の申請でもさらっと書くこともありますが、カナダではがっつりと記載する必要があります。
なぜ、自分の施設が優れていて自分のボスが優れているか記載する必要があります。
個人だけでなく研究環境も評価されます。
日本ですと明確に施設・ボスを評価するという記載をしていることはあまりないか、もしくはあまり重みが置かれてなかったりしますが、こちらは違います。
推薦状が重要
日本ですと署名だけだったり、簡単な推薦状だったりしますが、こちらはかなりしっかり書かないといけません。
研究計画並みの量です。
日本ではポスドク世代での申請では主に個人が評価されるのに対し、カナダでは環境も評価されることと、研究業績以外も評価されます。
日本で申請書をたくさん書いてきた場合でも、カナダで書く場合は少し戸惑いがあるかもしれません。
しかも、英語で書かないといけないので大変です。
もちろん英語は研究室でチェックしてもらえますし、Supervisors statementはボスがこれまで申請してきたものを、形式を合わせる程度で大丈夫です。
海外留学する前の方はなるべく日本で大学の講義をしたり、ワークショップに積極的に参加しておくのもありかもしれません。
また、ボスともいい関係を築いておき、推薦状をお願いできるようにしておく必要があると思います。
(実際は自分で書いてそれを承認してもらう形になると思いますが、登録はほとんどがオンラインですので登録自体を推薦者にしてもらわないといけないです。)
可能であれば、すでに海外に留学した先生から推薦状などの例文をもらっておいた方がいいです。
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